政略夫婦は念願の初夜に愛を確かめる〜極上御曹司の秘めた独占欲〜
「副社長? 大丈夫でしょうか」
「あ、ああ。すまない」
及川の声にはっと意識が戻る。及川は手にしていたタブレットを脇に抱えた。
「ここ最近お疲れのようですが、私に何かお手伝いできることがあれば申しつけください」
プライベートなことで仕事中に気にかけさせてしまったことを申し訳なく思う。
「ありがとう。悪いな」
「構いません。仕事に関しては頭を悩ます案件もないですから、プライベートなことかと察しております」
真面目で俺の思っていることをいつも黙って察知し、先回りして動ける及川は秘書として極上の存在だと思っている。
彼以外の側近はこの先も考えられないし、いつまでも右腕として働いてほしいから大事にしていきたい。