政略夫婦は念願の初夜に愛を確かめる〜極上御曹司の秘めた独占欲〜
「妻と、ちょっとな」
「奥様と? 喧嘩でもされましたか」
普段、基本的にはプライベートな話はしない。
でも、こうして俺が持ち掛ければ及川はいつも親身になってくれる。出過ぎず、かといって的確なアドバイスをくれるのだ。
「喧嘩というわけでもない。でも、ちょっと微妙な空気が流れているな」
「それでしたら、何かサプライズを用意されてみてはいかがでしょう?」
「サプライズ? 例えば」
「微妙な空気が吹き飛ぶような極上な時間を過ごされてみるとか」
及川の提案で名案が浮かび、それを皮切りにプランが次々と思い浮かんでくる。
「及川、ありがとう。いいアドバイスだ」
仕事が一区切りついたら手配をしようと気持ちを落ち着かせ、茉莉花のことでいっぱいになっている頭を切り替えた。