政略夫婦は念願の初夜に愛を確かめる〜極上御曹司の秘めた独占欲〜
「も……立って、られない」
互いにすっかり体も温まった頃、膝から崩れ落ちていく私を拓人さんはわかっていたように抱きとめた。
「ベッドにいこう」
そう囁かれたときにはバスローブを着せられ、同じようにバスローブを羽織った拓人さんに横抱きにされていた。
私を広いベッドに運んでいく拓人さんの足取りは、どこか余裕がなく足早になっている。
いよいよベッドに背中が着地すると、バスローブの紐が解かれていく。
すでに意識がふわふわとしてしまっている私に、曝け出した体を気にする余裕はない。
私を組み敷いた拓人さんが、目の前で自分の羽織ってきたバスローブを脱ぎ捨てた。
「拓人さん」
胸筋も腹筋も程よくついた拓人さんの体に向かって両手を伸ばす。
頭で考えず自然と取っていた行動だけど、抱きしめたい、抱きしめてほしいという気持ちが勝手に働いていた。
バスルームでの続きがベッドの上で始まり、再び拓人さんに啼かされる。
恍惚とした意識の中で「茉莉花」と名前を呼ばれた。