政略夫婦は念願の初夜に愛を確かめる〜極上御曹司の秘めた独占欲〜
「やっと、茉莉花とひとつになれた」
「へっ……」
気の抜けたような声が出てしまった私を、拓人さんが耳元でフッと笑う。
「私……ちゃんと、できてますか?」
「大丈夫。今度は、ちゃんと俺のものになってくれた」
拓人さんの言葉にホッと胸を撫で下ろす。
これまでずっと抱えてきた不安から一気に解き放たれたからか、ぶわっと目に涙が浮かぶ。
「良かった……良かったです」
密着したまま、拓人さんは私の頭を優しく撫でてくれる。
「でも茉莉花、ここで終わりなわけじゃないから」
「え、それは」
クスッと笑った拓人さんが囁くように「動くよ」と告げる。
「たっ、拓人さんっ」
驚いて声を上げたものの、ゆっくりと私の様子を窺いながら始まった律動に次第に甘い声が漏れていく。
優しく、ときに激しく、拓人さんは私を求める。
いつからか抱きしめる広い背中は、しっとりと汗ばんでいた。
「ずっとこうしたかった」
拓人さんのそんな声を聞いたときには、恍惚とした特別な世界にいるようだった。