政略夫婦は念願の初夜に愛を確かめる〜極上御曹司の秘めた独占欲〜
妻として強く優しく
カーテンの隙間から外の光が入り始める時間。きっと、五時を過ぎた頃だろうと思いながらベッドの中で寝返りをうつ。
ベッドの内側を向くと、まだ目覚めていない拓人さんの寝顔が間近に見えた。
いつ見ても整う綺麗な顔は、寝ていても完璧。男らしい首筋やくっきりとした
鎖骨に目を奪われ、鼓動が高鳴っていく。
そっと手を伸ばして、さらりと流れる髪に触れてみる。気づかれないようにフェザータッチで首筋、鎖骨へと指先を滑らせた。
拓人さんとの夫婦関係にひとり悩み続けて八か月。
拓人さんが食事に誘ってくれたあの夜にやっと体も結ばれることができた。
でも、悩んでいたのは私だけではなかったことがわかった。
拓人さんも同じように悩んでくれていたと知ったときは、心もちゃんと繋がっていたんだとわかり幸福感は倍増した。
「おはようございます」
眠っている拓人さんに小声で話しかける。
「朝ごはん、作りに行きますね」
そう言い残してベッドを出ていこうとしたところ、寝返りを打ちかけたところでお腹の辺りに腕が巻き付いてきた。