政略夫婦は念願の初夜に愛を確かめる〜極上御曹司の秘めた独占欲〜
「でも、和食ならご飯を炊かなきゃですし、パン食にするならフレンチトーストにしようと思うので漬け込みに──」
「だめ」
その声と同時に上体を起こした拓人さんが覆い被さってきて、耳朶に口付けられる。
反射的に「ひゃん」と変な声が出てしまい、恥ずかしさから即顔に熱が集まるのを感じた。
「だめの意味がわかるかな」
「た、拓人さん、くすぐったい」
囁くように訊かれ、耳の中をぺろりと舐められる。
「朝ごはん、無しになってもいいんですか?」
「いいよ。構わない」
そんな風にはっきり言われてしまうと成すすべなく、近づいてきた唇を拒むことなんてできない。
唇を重ね合わせ、拓人さんはそのまま私の首筋に顔を埋める。
「っ、拓人さん、あっ」
遠慮ない唇はデコルテをなぞり、胸の膨らみに下りていく。口づけられたと思えば強めに吸い上げられ、また「あぁ」と上ずった声が漏れてしまった。