政略夫婦は念願の初夜に愛を確かめる〜極上御曹司の秘めた独占欲〜
「新規事業で、リラクゼーションサロンを始めるらしいんだ。その事業を、うちのグループと提携できないかと持ち掛けられている」
「RENJYOのホテルで、早苗さんの会社のリラクゼーションサロンのメニューを受けられるとか、そういうことですか?」
「ああ、そういうことだ」
それはすごい!と、単純にビッグビジネスだと思い「いいじゃないですか!」と声が弾む。
「ホテルを利用してくださるお客様にもきっと利用したいと思われる方多いと思います。プリリュは有名ですし、あの脱毛サロンのって認知も高いかと」
「そうか。女性視点ではそう感じるものなんだな」
「はい。私だったら、ぜひ利用してみたいなと思うと思います」
拓人さんは柔和な笑みを浮かべ、「ありがとう」と言う。
早苗さんと仕事をするかもしれないことを私に伝えるのは、もしかしたら少し悩んだのかもしれない。
笑みにはどこか安堵の色も窺え、そんなことをふと思った。
「何か進展があれば、茉莉花にも知らせる」
「はい。ありがとうございます。楽しみにしています」
今はもう、不安なんてない。
拓人さんと夫婦として再出発をして、私の心は強く優しくなっていた。