政略夫婦は念願の初夜に愛を確かめる〜極上御曹司の秘めた独占欲〜
──side takuto
スリープにしたパソコンの画面に映る自分の顔がにやけているのに気づき、ハッとして表情を引き締める。
仕事がひと段落した途端に茉莉花のことを考えていて、そのせいで顔が緩んでいたらしい。
及川も含め、誰もこの部屋にいなかったことにホッと胸を撫でおろす。
気を抜くとすぐに脳裏に蘇るほど、今朝も茉莉花は可愛すぎた。
この八か月間、上手くいかなかった初夜の件でお互いに悩みながら過ごしてきたことが判明し、あのプールに誘った日をきっかけにふたりの夫婦関係は新たなスタートをきった。
俺だけでなく、茉莉花も同じように悩んでいたこと。
互いに相手を気遣って距離を保っていたことがわかり、なんだかホッとする部分もあった。
何より、茉莉花の気持ちがちゃんと俺に向いていたことが嬉しかった。
彼女の想いを知ればもう自分をコントロールして抑えるのは難しく、あの夜、結婚八か月にしてやっと初夜を迎えることができた。
やっと身も心も繫がれた喜びは一入で、あの夜は朝方まで何度も茉莉花を求めていた。
今朝も朝から抱いてしまったけれど、こんな付き合い立てのカップルのように求めていたらいつか呆れられないかとちらりと心配にもなる。この八か月間を取り戻す勢いだ。