政略夫婦は念願の初夜に愛を確かめる〜極上御曹司の秘めた独占欲〜


「そう見えるか?」

「そうね。なんとなく顔つきも違うし、幸せなオーラが出てるような」

「だとすれば、三栗谷夫婦のおかげかもしれないな」

「え? 私たち?」


 早苗の顔から何故だかふっと微笑が消える。


「どういうこと?」

「三栗谷夫婦にいい刺激をもらったと、そういうことだ。夫婦仲が以前よりも深まった」


 夫婦仲について追及していた早苗だ。そこまで言えば、意味はなんとなく察するだろう。


「へぇ……それなら、私としては余計なことをしちゃったってわけね」


 どこか挑戦的な口調で言い、にこりと微笑む早苗の真意は汲み取れない。

 でも、何を言われようと仕掛けられようと、俺たち夫婦は揺るがない。


「それじゃ、今後ともよろしくお願いします。連城副社長」


 ソファを立ち上がった早苗は「失礼するわ」とひとり足早に部屋を出ていった。

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