[短編]大好きな幼なじみに突然キスされて。
すると、チョンって頬に柔らかな感触がして。


と同時にさわやかなシトラスの香りに包まれた。


「……っ」


ええっ、今のってまさか。


一瞬、理性がぶっ飛びそうに。


「ひゃっ、な、なに?」


「いや、なんとなく……」


今確かに彼の唇があたったような気がしたんだけど。


「はあ?なんとなくキスしないでよ」


頬に手をあてて抗議した。


思わず眉間にシワがよる。


これってあたしの悪い癖だ。


ほんとはめちゃくちゃ嬉しいくせに。


照れ臭くなると、可愛くない反応をしてしまうんだ。


「……」


だけどナオは普段、こういう悪ノリする人じゃないから余計に戸惑ってしまう。


どちらかと言えばクールなタイプだから。


まあ、クールと言うならあたしも負けてない。
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