迷彩服の恋人 【完全版】
第三任務*親しくなりたい…。
俺たちの素性 ◆真矢 side◆
「いえ、大丈夫なら良かったです。少し、おつらそうでしたから…。そうでしたね、先日も同窓会…気乗りしてなかったですもんね。僕も、どちらかといえば"こういう場"は慣れてないのでお気持ち分かります。……さて。先日は名乗らずに帰ってしまい、大変失礼しました。土岐 真矢と申します。……あれから左足首の具合どうですか?」
「おかげ様で、完治しました。トキさんは… 〝お困りだった方〟とお当番、うまく交代できましたか?…ちなみに、〝トキ〟ってどんな字を書くんですか?珍しい苗字なので気になりました。」
「それなら良かったです。ご心配いただきありがとうございます。…おかげ様で、こちらも滞りなく。…あっ、えっと〝土〟に"岐路に立つ"の〝岐〟ですね。」
「スムーズに交代できたなら良かったです。…あっ、合ってたー。よかった、間違ってなくて。」
こんな会話をしつつ、落ち着いた頃合いを見計らって…いよいよ合コンがスタートしていく――。
「さて。そろそろ俺たちの職業を言わないと朝香巴さんが帰っちゃいそうなんで言いますね。」
「やだ、名乗ってないのに話してる中で覚えてくれたんだー。」
この、声のトーンがちょっと上がる感じ……。
恋人探しにきた女性は、十中八九こうなるよなぁ…。
俺、苦手だから…最低限にしよう、関わるの。
「じゃ、麻生…あとよろしく。」
「えっ、志貴さん。丸投げですか!?…まぁ、やらせていただきますけど…。俺たち、陸上自衛官なんです。」
「うそ!自衛官!!カッコイイ!!」
あー。出た、一番ありがちな反応。
俺たちの【肩書き】か【給料】か…朝香さんが欲しいのはどっちなんだろうな…。
どちらにせよ、俺は付き合いたくない…。
どうせ、付き合ったとしてもいつものように「つまらない男ね」って言われて長続きしないのがオチだからな。
「じゃあ、とりあえず自己紹介からいきましょうか。…志貴先輩からお願いします。」
「え、俺?まぁ…いっか。はい、志貴 隼人です。まだ"33"ですけど、今年で"34"になります。ちなみに。今日は幹事なので来ましたが、俺は皆さんの〝主任〟と付き合ってるので… 〝候補〟からは外して下さい。じゃないと、結花のところに永久就職するどころか…懲戒免職になって大変なので、ご協力お願いしますね!」
プッ、どういう空気の緩ませ方ですか。
でも、さすが先輩…。あとが続けやすいようにしてくれた。
「何言ってんのよ、ばか隼人…!……麻生くん、進めて。」
はは。桧原さん、照れてますね。
「じゃ、俺ですね。麻生 寿です。先日、27歳になりました。趣味は体動かすことですかね。よろしくお願いします。…はい、次!」
「麻生さん、やっぱ慣れてますね。合コン。古川 悠生です、まだ25歳です。趣味は…俺も麻生さんと同じで、体を動かすことです。よろしくお願いします。」
「中崎 斗真…7月、来月で24歳になります。趣味は、特に"コレ!"ってものは無いですけど…あっ!でも、美味しいものを食べるのは好きですね。あと"楽しいこと"をするのも…。一緒にいろいろやりたいです。」
俺の番か…。さて。深入りされたくないし、なんて言おうか…。
俺は瞬間的に考えを巡らせて、無難な"答え"を口にする。
「土岐 真矢です。年齢はまだ"31"ですね。趣味は…読書、ですかね。」
"えっ、それだけ?"みたいな顔するの、やめてもらっていいですか?
朝香さんと… 〝新人さんっぽいお二方〟。
「おかげ様で、完治しました。トキさんは… 〝お困りだった方〟とお当番、うまく交代できましたか?…ちなみに、〝トキ〟ってどんな字を書くんですか?珍しい苗字なので気になりました。」
「それなら良かったです。ご心配いただきありがとうございます。…おかげ様で、こちらも滞りなく。…あっ、えっと〝土〟に"岐路に立つ"の〝岐〟ですね。」
「スムーズに交代できたなら良かったです。…あっ、合ってたー。よかった、間違ってなくて。」
こんな会話をしつつ、落ち着いた頃合いを見計らって…いよいよ合コンがスタートしていく――。
「さて。そろそろ俺たちの職業を言わないと朝香巴さんが帰っちゃいそうなんで言いますね。」
「やだ、名乗ってないのに話してる中で覚えてくれたんだー。」
この、声のトーンがちょっと上がる感じ……。
恋人探しにきた女性は、十中八九こうなるよなぁ…。
俺、苦手だから…最低限にしよう、関わるの。
「じゃ、麻生…あとよろしく。」
「えっ、志貴さん。丸投げですか!?…まぁ、やらせていただきますけど…。俺たち、陸上自衛官なんです。」
「うそ!自衛官!!カッコイイ!!」
あー。出た、一番ありがちな反応。
俺たちの【肩書き】か【給料】か…朝香さんが欲しいのはどっちなんだろうな…。
どちらにせよ、俺は付き合いたくない…。
どうせ、付き合ったとしてもいつものように「つまらない男ね」って言われて長続きしないのがオチだからな。
「じゃあ、とりあえず自己紹介からいきましょうか。…志貴先輩からお願いします。」
「え、俺?まぁ…いっか。はい、志貴 隼人です。まだ"33"ですけど、今年で"34"になります。ちなみに。今日は幹事なので来ましたが、俺は皆さんの〝主任〟と付き合ってるので… 〝候補〟からは外して下さい。じゃないと、結花のところに永久就職するどころか…懲戒免職になって大変なので、ご協力お願いしますね!」
プッ、どういう空気の緩ませ方ですか。
でも、さすが先輩…。あとが続けやすいようにしてくれた。
「何言ってんのよ、ばか隼人…!……麻生くん、進めて。」
はは。桧原さん、照れてますね。
「じゃ、俺ですね。麻生 寿です。先日、27歳になりました。趣味は体動かすことですかね。よろしくお願いします。…はい、次!」
「麻生さん、やっぱ慣れてますね。合コン。古川 悠生です、まだ25歳です。趣味は…俺も麻生さんと同じで、体を動かすことです。よろしくお願いします。」
「中崎 斗真…7月、来月で24歳になります。趣味は、特に"コレ!"ってものは無いですけど…あっ!でも、美味しいものを食べるのは好きですね。あと"楽しいこと"をするのも…。一緒にいろいろやりたいです。」
俺の番か…。さて。深入りされたくないし、なんて言おうか…。
俺は瞬間的に考えを巡らせて、無難な"答え"を口にする。
「土岐 真矢です。年齢はまだ"31"ですね。趣味は…読書、ですかね。」
"えっ、それだけ?"みたいな顔するの、やめてもらっていいですか?
朝香さんと… 〝新人さんっぽいお二方〟。