迷彩服の恋人 【完全版】
「信じられない…!土岐さんが何か不祥事を起こしたわけじゃないのに……どうして!!」
理不尽すぎる、そんなの!
部下を妬んでて、病気になったのを【都合のイイ理由】にして…気に入らないから辞めさせるの?
どんな上司よ!?あり得ない!!
土岐さんが、2度もパワハラを受けた事実を聞いて、私は悔しい気持ちでいっぱいになった。
「僕は至って真面目に仕事していたんですが…。上司の目にはそう映っていなかったのでしょうね。僕を〝自衛隊あがりの生意気な人間〟と思っていたんじゃないでしょうか。自衛隊では"整備士"や大型免許、牽引免許なんかが取れるんですけど…履歴書に書ける資格全部書いたのが仇になりました。事ある毎に、資格の話を引き合いに出されましたし…国家公務員の経歴があることも気に入らなかったのではないかと…。僕と対峙する時の上司の態度は、いつも"そういう態度"でしたから。」
〝マウント上司〟とか……最悪!!
「まぁ。肩書きに対してマウントを取られているだけなら大して気にしませんが、管理職の権限を乱用して、"依願退職扱い"になるように仕向けられたのは…さすがに堪えました。それで再び職を失くした僕は、悩みに悩んで…"27"の時に自衛隊への再入隊を決意したんです。それを母と弟…そして叔父に報告したら『そんな甘い環境だと思ってるのか!一度〝出た身〟だろう、馬鹿者!』って、叔父に一発殴られました。まぁ…"出戻り"になるので、殴られる覚悟してましたけど。」
その当時の思い出し、懐かしむような表情で語ってくれる土岐さん。
なんて強い……〝精神年齢の高い人〟なんだろう。
「そして、『今度は人間関係で泣き言を言うなよ!』とも釘刺されました。その時ですかね…。"僕はもう…自衛隊に骨を埋める覚悟で仕事しよう"と本気で思って、腹を括ったのは――。ちなみに母には、『〔ハルヒノ自動車整備工場〕の上司と…〔黒鷹運送〕の上司からパワハラを受けていた』と伝えたし、〔黒鷹運送〕退職前の入院の際には、"医者に『もう少し経ってから診ていたら胃潰瘍になっていたね』とまで言われた"と正直に伝えました。」
「それで…お母様は何と…?」
「フッ!母には『ごめんね、真矢。再入隊の話をした時は秀太郎さんから庇ってあげられなくて…。でも、私は真矢が仕事を投げ出したわけじゃないことぐらい分かってるから――。あなたは、何でもないのに『仕事を辞める』なんて言わない子だもの。……散々考えて、自衛隊でやっていく覚悟決めたなら、そうしなさい。…秀太郎さんが真矢に手を上げた理由も分かってるでしょうから、私からは何も言うこと無いわ』と全部見透かした上で、僕の味方でいることも忘れずに…送り出してくれました。」
なんて素敵なお母様でしょうか!
「ただ、その後に"母親ってすごく強いんだな!"って思わされた出来事がもう一つありました。パワハラ問題を起こしたり、依願退職の強要を求めてきた〝元上司の2人〟から示談金を搾り取ってきたんです。」
え、土岐さんのお母様…カッコよすぎません?
「どうも母と弟は、問題のあった2社に在籍していた頃…"こんなにも車の運転や整備が好きな息子(兄)が、『仕事したくない』と言い出すなんて何かおかしいな"と思ったらしく…。気づいたその日から僕の様子や言動を観察し、日記みたいにして記録してたそうです。これも決め手の一つになったといいます。事後報告でこれを聞かされた時は驚きましたけど…笑いましたし、教職に就いている母らしいなと思いましたよ。メモを取るのが癖付いたのだと聞いています。生徒さんたちの些細な変化を見逃さないために――。」
「お母様、すごすぎますね!大逆転劇が爽快すぎました!アニメの展開だと、見終わったとき…超スッキリするやつです!」
理不尽すぎる、そんなの!
部下を妬んでて、病気になったのを【都合のイイ理由】にして…気に入らないから辞めさせるの?
どんな上司よ!?あり得ない!!
土岐さんが、2度もパワハラを受けた事実を聞いて、私は悔しい気持ちでいっぱいになった。
「僕は至って真面目に仕事していたんですが…。上司の目にはそう映っていなかったのでしょうね。僕を〝自衛隊あがりの生意気な人間〟と思っていたんじゃないでしょうか。自衛隊では"整備士"や大型免許、牽引免許なんかが取れるんですけど…履歴書に書ける資格全部書いたのが仇になりました。事ある毎に、資格の話を引き合いに出されましたし…国家公務員の経歴があることも気に入らなかったのではないかと…。僕と対峙する時の上司の態度は、いつも"そういう態度"でしたから。」
〝マウント上司〟とか……最悪!!
「まぁ。肩書きに対してマウントを取られているだけなら大して気にしませんが、管理職の権限を乱用して、"依願退職扱い"になるように仕向けられたのは…さすがに堪えました。それで再び職を失くした僕は、悩みに悩んで…"27"の時に自衛隊への再入隊を決意したんです。それを母と弟…そして叔父に報告したら『そんな甘い環境だと思ってるのか!一度〝出た身〟だろう、馬鹿者!』って、叔父に一発殴られました。まぁ…"出戻り"になるので、殴られる覚悟してましたけど。」
その当時の思い出し、懐かしむような表情で語ってくれる土岐さん。
なんて強い……〝精神年齢の高い人〟なんだろう。
「そして、『今度は人間関係で泣き言を言うなよ!』とも釘刺されました。その時ですかね…。"僕はもう…自衛隊に骨を埋める覚悟で仕事しよう"と本気で思って、腹を括ったのは――。ちなみに母には、『〔ハルヒノ自動車整備工場〕の上司と…〔黒鷹運送〕の上司からパワハラを受けていた』と伝えたし、〔黒鷹運送〕退職前の入院の際には、"医者に『もう少し経ってから診ていたら胃潰瘍になっていたね』とまで言われた"と正直に伝えました。」
「それで…お母様は何と…?」
「フッ!母には『ごめんね、真矢。再入隊の話をした時は秀太郎さんから庇ってあげられなくて…。でも、私は真矢が仕事を投げ出したわけじゃないことぐらい分かってるから――。あなたは、何でもないのに『仕事を辞める』なんて言わない子だもの。……散々考えて、自衛隊でやっていく覚悟決めたなら、そうしなさい。…秀太郎さんが真矢に手を上げた理由も分かってるでしょうから、私からは何も言うこと無いわ』と全部見透かした上で、僕の味方でいることも忘れずに…送り出してくれました。」
なんて素敵なお母様でしょうか!
「ただ、その後に"母親ってすごく強いんだな!"って思わされた出来事がもう一つありました。パワハラ問題を起こしたり、依願退職の強要を求めてきた〝元上司の2人〟から示談金を搾り取ってきたんです。」
え、土岐さんのお母様…カッコよすぎません?
「どうも母と弟は、問題のあった2社に在籍していた頃…"こんなにも車の運転や整備が好きな息子(兄)が、『仕事したくない』と言い出すなんて何かおかしいな"と思ったらしく…。気づいたその日から僕の様子や言動を観察し、日記みたいにして記録してたそうです。これも決め手の一つになったといいます。事後報告でこれを聞かされた時は驚きましたけど…笑いましたし、教職に就いている母らしいなと思いましたよ。メモを取るのが癖付いたのだと聞いています。生徒さんたちの些細な変化を見逃さないために――。」
「お母様、すごすぎますね!大逆転劇が爽快すぎました!アニメの展開だと、見終わったとき…超スッキリするやつです!」