迷彩服の恋人 【完全版】
「望月さん……。はい、お伝えしますね。…ただ、毎日のやり取りは難しい場合もありますけど…。」
「もちろん。それは大丈夫です、お仕事の都合ですから。ゆっくり待ってます。それから、お話もいろいろ聞いて自衛隊事情も分かってきましたので、こちらからご連絡するのも17時以降にしますね。」
土岐さんは一瞬ハッとした顔をした後、表情を崩した笑顔を私に向ける。
「こちらの仕事への配慮まで…。ありがとうございます。」
「あ、そうだ!土岐くん――。」
「クスッ。分かりました。どちらも肝に銘じておきます。」
『肝に銘じておきます』?
結花先輩、土岐さんに何を言ったんですか…。耳打ちまでして――。
そして私たち3人は、再び店内へ戻って志貴さんたちと合流した。
「あっ。結花、望月さん、土岐、おかえり。」
みんなの所に戻ると、すぐさま志貴さんが笑顔で迎えてくれる。
「志貴さん、申し訳ありませんでした。突然出て行って――。」
私が志貴さんに頭を下げている横で、花村さんが土岐さんに謝罪していて…彼は「いえ」と短く言葉を返していた。
そして謝ったかと思えば、さっさと古川さんの隣に行き…私や結花先輩がいる"こちらの島"のことなど気にする様子もない。
全然反省してないな、あれは……。
「何言ってるの、全然突然じゃないよ。俺に声掛けてってくれたんだし。それに結花に聞いたけど、望月さんも大勢で飲むのあまり得意じゃないんだってね。会社の飲み会でも、よく外の風に当たりに行くんでしょう?…1人になって気を抜くのも大切だからさ、気にしないで。」
そんな風に言ってくれる彼は、優しくて頼もしかった。
きっと、普段から土岐さんや他の人相手に同じような対応をしてるんじゃないだろうか。
私と違って〝世渡り上手〟だなぁ……。
「それに…土岐のこと、ありがとう。コイツが合コンの最中に【1回席外して、リラックスした表情で戻ってくる】なんて珍しいからさ――。」
こっそりと…しかもウィンク付きでそう教えてくれる志貴さんは、とても優しい笑みを浮かべている。
土岐さんのことを大切に思っているのが伝わってくる。
「あと、言葉崩していいよ。〝自衛官〟とか〝男性陣の先輩〟って認識より〝結花の彼氏〟って認識でいてほしいな。結花と雑談する時、言葉崩さない?その感じでいいよ。」
「志貴先輩、望月さんに変なこと吹き込んでないですよね?…あっ、そうだ。煙缶…ありがとうございました。」
「さぁね、どうだろうな?……『土岐さんの背中、疲れてるように見えます』って真っ先に気づいてお前を追いかけたの…望月さんだからさ。『今私が行っても迷惑にならないでしょうか?』とまで言ってくれるし、俺にわざわざ確認までしてくれたんだからな。……煙缶は、あぁ。」
土岐さんは志貴さんに借りた灰皿を渡しながら、驚いた様子で私に視線を投げてきた。
「えっ、僕のこと心配して出てきてくれたんですか!?」
きゃー!
志貴さん、それは恥ずかしいので内緒にしといて下さいよー!
「望月さんに感謝だな、土岐。」
「ご、ご迷惑でしたか…?」
「そんなわけありません!あなたが来てくれたおかげで楽しかったし、リラックスできたんですから。ありがとうございます、望月さん。」
「さぁてっと。都ちゃんも土岐くんも今からは飲みなさいな。"あっちの6人"は、気にしなくていいわ。巴と花村が勝手にやってるから。」
そういえば、ここにあったテーブル2つ移動してるし…どこにあったのか知らないけど、パーテーションまで出てきてる!
こんなレイアウトにもできるように、他の席よりも広いスペースになってたんだ。
「もちろん。それは大丈夫です、お仕事の都合ですから。ゆっくり待ってます。それから、お話もいろいろ聞いて自衛隊事情も分かってきましたので、こちらからご連絡するのも17時以降にしますね。」
土岐さんは一瞬ハッとした顔をした後、表情を崩した笑顔を私に向ける。
「こちらの仕事への配慮まで…。ありがとうございます。」
「あ、そうだ!土岐くん――。」
「クスッ。分かりました。どちらも肝に銘じておきます。」
『肝に銘じておきます』?
結花先輩、土岐さんに何を言ったんですか…。耳打ちまでして――。
そして私たち3人は、再び店内へ戻って志貴さんたちと合流した。
「あっ。結花、望月さん、土岐、おかえり。」
みんなの所に戻ると、すぐさま志貴さんが笑顔で迎えてくれる。
「志貴さん、申し訳ありませんでした。突然出て行って――。」
私が志貴さんに頭を下げている横で、花村さんが土岐さんに謝罪していて…彼は「いえ」と短く言葉を返していた。
そして謝ったかと思えば、さっさと古川さんの隣に行き…私や結花先輩がいる"こちらの島"のことなど気にする様子もない。
全然反省してないな、あれは……。
「何言ってるの、全然突然じゃないよ。俺に声掛けてってくれたんだし。それに結花に聞いたけど、望月さんも大勢で飲むのあまり得意じゃないんだってね。会社の飲み会でも、よく外の風に当たりに行くんでしょう?…1人になって気を抜くのも大切だからさ、気にしないで。」
そんな風に言ってくれる彼は、優しくて頼もしかった。
きっと、普段から土岐さんや他の人相手に同じような対応をしてるんじゃないだろうか。
私と違って〝世渡り上手〟だなぁ……。
「それに…土岐のこと、ありがとう。コイツが合コンの最中に【1回席外して、リラックスした表情で戻ってくる】なんて珍しいからさ――。」
こっそりと…しかもウィンク付きでそう教えてくれる志貴さんは、とても優しい笑みを浮かべている。
土岐さんのことを大切に思っているのが伝わってくる。
「あと、言葉崩していいよ。〝自衛官〟とか〝男性陣の先輩〟って認識より〝結花の彼氏〟って認識でいてほしいな。結花と雑談する時、言葉崩さない?その感じでいいよ。」
「志貴先輩、望月さんに変なこと吹き込んでないですよね?…あっ、そうだ。煙缶…ありがとうございました。」
「さぁね、どうだろうな?……『土岐さんの背中、疲れてるように見えます』って真っ先に気づいてお前を追いかけたの…望月さんだからさ。『今私が行っても迷惑にならないでしょうか?』とまで言ってくれるし、俺にわざわざ確認までしてくれたんだからな。……煙缶は、あぁ。」
土岐さんは志貴さんに借りた灰皿を渡しながら、驚いた様子で私に視線を投げてきた。
「えっ、僕のこと心配して出てきてくれたんですか!?」
きゃー!
志貴さん、それは恥ずかしいので内緒にしといて下さいよー!
「望月さんに感謝だな、土岐。」
「ご、ご迷惑でしたか…?」
「そんなわけありません!あなたが来てくれたおかげで楽しかったし、リラックスできたんですから。ありがとうございます、望月さん。」
「さぁてっと。都ちゃんも土岐くんも今からは飲みなさいな。"あっちの6人"は、気にしなくていいわ。巴と花村が勝手にやってるから。」
そういえば、ここにあったテーブル2つ移動してるし…どこにあったのか知らないけど、パーテーションまで出てきてる!
こんなレイアウトにもできるように、他の席よりも広いスペースになってたんだ。