迷彩服の恋人 【完全版】
「あぁ、実写化してたんだ。なるほど、俳優さん推しね。もしかしてイケメンなの?その“進藤さん”って俳優さん。」
「はいっ!イケメンですね!!」
私は、前のめり気味のテンションで答えた。
「へぇ。イケメン俳優ね…私も見てみようかな…。そしたら隼人や土岐くんとも話できそうだし。“進藤 和史さん”ね。あとで検索してみよーっと。」
「結花先輩、ぜひ作品見てみて下さい!…なんなら、疑問があれば解説しますよ!」
「あら、頼もしい!…ふふっ!」
「それで、話戻すんですけど…。『WIZARD』の見どころとしてはストーリー設定がまずポイントで、魔法師…いわゆる魔法使いたちの話なんですけど、魔法が【"おとぎ話"の産物】って設定じゃなく【"科学"として現実に存在するもの】ってことで扱われてるんですよ。それとバトルものなので、スピード感があるし…見てて飽きないと思います!」
「へぇ、魔法が科学的に扱われてるのか…。そう聞いただけで、もう面白そうですね!」
「あと〝シオン様〟役の“中川 悠”さんって声優さんの声がめちゃくちゃ低くて素敵で…それから、制作会社が〔クリスタル・ピクチャーズ〕っていう〝精鋭のクリエイターさんが集まってる会社〟なので、作画もとても綺麗なんですよ!」
「作画か…なるほど。そういう見方をするんですね!考えたこともなかったです。」
「なるほど、作画かぁ…。確かにそういう風に見てみると、また違った見方ができて面白いね!望月さん、プレゼン上手いって言われない?…俺と土岐はこの合コン終わったら、【話題に挙がった2作品】は確実に見るよ。」
志貴さんの言葉に深く頷く土岐さん。
「都ちゃんはね、そうねー。うちの部で営業成績上位5人の中には常に入ってるかな。」
「ゆ、結花先輩…!や、やめて下さいよー!恥ずかしいです…。」
結花先輩から持ち上げられて…どんな風に反応していいか分からずタジタジになっている私を見て、志貴さんと土岐さんは嫌味なく表情を緩める。
自分たちの気持ちを整えに外に出たのが嘘だったかのように、私と土岐さんは話しながら笑っていた。
こうして、しばらくの団欒に身を任せる。
そして……。
「…あぁ、もう10時過ぎたのね。……どうする?」
「これより遅くなると…女性陣が心配だし、帰るか!もちろん送ってくつもりはしてるけど。結花、〝あっち〟声掛けてきて。精算もしなきゃだし。」
「了解、隼人。」
結花先輩が朝香先輩たちを呼びに行く間に、おもむろに志貴さんが言う。
「望月さんと土岐は…今日、いいから。」
「……。」
一瞬、何が"いい"のかピンとこなかったけど…すぐに食事代のことだと理解する。
「えっ、えぇっ!?いいですよ、志貴さん!払います!払います!」
「そうですよ、先輩!望月さんはともかく…俺は出しますよ!」
「いいんだよ!人数合わせで無理矢理連れてきたようなもんなんだし。もし、どうしてもって言うなら望月さんの分として受け取るよ。」
「あっ…そうしましょう。先輩。」
志貴さんの言葉に、土岐さんも"その手があったか!"とでも言うように顔を綻ばせている。
「えぇっ!?そんな!払いますよ!何だか申し訳ないです…。」
「あら、呼びに行ってる間にはまとまらなかったのね。…じゃあ、私が都ちゃんの分払うわよ?」
うっ…。結花先輩にそう言われちゃ、断れない。
「俺が、結花に払わせるの嫌なんだけど…。望月さん、今日のところは俺か土岐の顔立ててくれると嬉しいな。」
そうなりますよね…。
「じゃあ…。志貴さん、ありがとうございます。ご馳走様です!」
「いいえ、どういたしまして。」
こうして、私は一銭も出さない状況でお会計の話が進んでいく――。
「はいっ!イケメンですね!!」
私は、前のめり気味のテンションで答えた。
「へぇ。イケメン俳優ね…私も見てみようかな…。そしたら隼人や土岐くんとも話できそうだし。“進藤 和史さん”ね。あとで検索してみよーっと。」
「結花先輩、ぜひ作品見てみて下さい!…なんなら、疑問があれば解説しますよ!」
「あら、頼もしい!…ふふっ!」
「それで、話戻すんですけど…。『WIZARD』の見どころとしてはストーリー設定がまずポイントで、魔法師…いわゆる魔法使いたちの話なんですけど、魔法が【"おとぎ話"の産物】って設定じゃなく【"科学"として現実に存在するもの】ってことで扱われてるんですよ。それとバトルものなので、スピード感があるし…見てて飽きないと思います!」
「へぇ、魔法が科学的に扱われてるのか…。そう聞いただけで、もう面白そうですね!」
「あと〝シオン様〟役の“中川 悠”さんって声優さんの声がめちゃくちゃ低くて素敵で…それから、制作会社が〔クリスタル・ピクチャーズ〕っていう〝精鋭のクリエイターさんが集まってる会社〟なので、作画もとても綺麗なんですよ!」
「作画か…なるほど。そういう見方をするんですね!考えたこともなかったです。」
「なるほど、作画かぁ…。確かにそういう風に見てみると、また違った見方ができて面白いね!望月さん、プレゼン上手いって言われない?…俺と土岐はこの合コン終わったら、【話題に挙がった2作品】は確実に見るよ。」
志貴さんの言葉に深く頷く土岐さん。
「都ちゃんはね、そうねー。うちの部で営業成績上位5人の中には常に入ってるかな。」
「ゆ、結花先輩…!や、やめて下さいよー!恥ずかしいです…。」
結花先輩から持ち上げられて…どんな風に反応していいか分からずタジタジになっている私を見て、志貴さんと土岐さんは嫌味なく表情を緩める。
自分たちの気持ちを整えに外に出たのが嘘だったかのように、私と土岐さんは話しながら笑っていた。
こうして、しばらくの団欒に身を任せる。
そして……。
「…あぁ、もう10時過ぎたのね。……どうする?」
「これより遅くなると…女性陣が心配だし、帰るか!もちろん送ってくつもりはしてるけど。結花、〝あっち〟声掛けてきて。精算もしなきゃだし。」
「了解、隼人。」
結花先輩が朝香先輩たちを呼びに行く間に、おもむろに志貴さんが言う。
「望月さんと土岐は…今日、いいから。」
「……。」
一瞬、何が"いい"のかピンとこなかったけど…すぐに食事代のことだと理解する。
「えっ、えぇっ!?いいですよ、志貴さん!払います!払います!」
「そうですよ、先輩!望月さんはともかく…俺は出しますよ!」
「いいんだよ!人数合わせで無理矢理連れてきたようなもんなんだし。もし、どうしてもって言うなら望月さんの分として受け取るよ。」
「あっ…そうしましょう。先輩。」
志貴さんの言葉に、土岐さんも"その手があったか!"とでも言うように顔を綻ばせている。
「えぇっ!?そんな!払いますよ!何だか申し訳ないです…。」
「あら、呼びに行ってる間にはまとまらなかったのね。…じゃあ、私が都ちゃんの分払うわよ?」
うっ…。結花先輩にそう言われちゃ、断れない。
「俺が、結花に払わせるの嫌なんだけど…。望月さん、今日のところは俺か土岐の顔立ててくれると嬉しいな。」
そうなりますよね…。
「じゃあ…。志貴さん、ありがとうございます。ご馳走様です!」
「いいえ、どういたしまして。」
こうして、私は一銭も出さない状況でお会計の話が進んでいく――。