迷彩服の恋人 【完全版】
「じゃあ…麻生、古川、中崎。朝香さんたちをちゃんと送り届けてからホテル行けよ。望月さんと結花はこっち方向で、土岐と送っていくから。」
「はい、もちろんそのつもりですよ。先輩。」
「志貴さーん、土岐さーん。よかったらメッセージのID交換してもらえませんか?」
見た感じ、あなたは古川さんと"イイ感じ"になってるんじゃないの?花村さん。
「ごめんね、花村さん。俺と連絡取りたかったら、結花経由でお願いします。この時期から訓練で駐屯地にすらいないことも多くなるからさ。」
「僕もごめんなさい、志貴先輩の言うとおり訓練は立て込んでるし…今年は資格取るための試験とか勉強とかもしなきゃいけなくて集中したいので控えさせて下さい。」
「えー!…とか言って、望月先輩の連絡先は聞いたんじゃないんですかぁ?」
「いいえ。」
「聞かれてないし、こんな話聞いちゃったら…私なら連絡するの、遠慮するよ。」
花村さん〝構ってちゃん〟だし、土岐さんの今までの言動から想像するに…絶対に彼の苦手なタイプ。
私が口裏合わせて何とかなるなら協力しますよ!
それにしても…いいんですか?
資格試験とか、そのための勉強とかあるのに…私とは連絡取ろうとしてくれるなんて……。
「えー!つまんない!」
「そうそう。俺たちアラサーのおじさんだからさ、つまんないの。きっと花村さんみたいな若くて可愛い子には、古川や中崎みたいな爽やかな奴がお似合いだから…そっちで楽しみな。……じゃあね、おやすみ。」
志貴さんうま〜い!さすがです!
こうして、花村さん再び何かを言ってくる前に志貴さんと結花先輩が彼女たちに背を向けて歩き出したので、私と土岐さんもその後を追った。
**
「はぁー。疲れた!…ごめんね。隼人、土岐くん、都ちゃん。厄介な若手連れてきて!」
「いえ、先輩。」
私は、前方を歩くちょっとしょんぼりしている結花先輩にそう答えた。
「まぁ。終わったことだからもういいけど…結花にしては珍しくない?望月さん以外"ハズレ"だったんだけど…。」
「ごめん。そもそも都ちゃんは来るメンバーじゃなかったし…巴と橋本さんって子が来る予定だったんだけど、風邪で発熱してるらしくて。…で。花村と栗原には、橋本さんとの会話聞かれちゃってね。『連れてけー!』ってずっと引かなかったのよ。」
「なるほど、そういうことか。お前も大変だな、結花。……って、えぇっ!?望月さん、本当にピンチヒッターだったのか。じゃあ、土岐と望月さんの再会ってマジで偶然じゃん!いや、ほんと何があるか分かんないもんだな。」
「ほんとに…それよね。ビックリしちゃったわよ!でも、土岐くんだったら名乗らず慌てて帰ったのも納得だけど。上官からの呼び出しってところでしょ?」
志貴さんと結花先輩が首だけ振り返って、私と土岐さんに言う。
「さすが桧原さん、分かっていただけてますね。僕も驚きましたけど…今日、望月さんに会えてよかったです。名乗ってないし、挨拶もいい加減だったし…気になってました。」
「いい加減だなんて、とんでもない!土岐さんは誠実な対応をずっとして下さってましたよ。でも、お名前が聞けたのは…確かに収穫でしたね。…ところで、土岐さん。良いんですか?資格取得の勉強とかあるのに、私とは連絡先交換したじゃないですか。お邪魔になりません?」
「誠実…ですか。ありがとうございます、正直照れます。…嬉しいんですけど、言われ慣れてないので。……邪魔になんてなりません。望月さんは相手の都合も考えてくれるでしょう?それで十分ですし、資格の勉強するのは本当ですけど…あれはちょっと大袈裟に言いました。連絡先、あまり知られたくないので。全くの不通になることは普段は無いですよ。」
「はい、もちろんそのつもりですよ。先輩。」
「志貴さーん、土岐さーん。よかったらメッセージのID交換してもらえませんか?」
見た感じ、あなたは古川さんと"イイ感じ"になってるんじゃないの?花村さん。
「ごめんね、花村さん。俺と連絡取りたかったら、結花経由でお願いします。この時期から訓練で駐屯地にすらいないことも多くなるからさ。」
「僕もごめんなさい、志貴先輩の言うとおり訓練は立て込んでるし…今年は資格取るための試験とか勉強とかもしなきゃいけなくて集中したいので控えさせて下さい。」
「えー!…とか言って、望月先輩の連絡先は聞いたんじゃないんですかぁ?」
「いいえ。」
「聞かれてないし、こんな話聞いちゃったら…私なら連絡するの、遠慮するよ。」
花村さん〝構ってちゃん〟だし、土岐さんの今までの言動から想像するに…絶対に彼の苦手なタイプ。
私が口裏合わせて何とかなるなら協力しますよ!
それにしても…いいんですか?
資格試験とか、そのための勉強とかあるのに…私とは連絡取ろうとしてくれるなんて……。
「えー!つまんない!」
「そうそう。俺たちアラサーのおじさんだからさ、つまんないの。きっと花村さんみたいな若くて可愛い子には、古川や中崎みたいな爽やかな奴がお似合いだから…そっちで楽しみな。……じゃあね、おやすみ。」
志貴さんうま〜い!さすがです!
こうして、花村さん再び何かを言ってくる前に志貴さんと結花先輩が彼女たちに背を向けて歩き出したので、私と土岐さんもその後を追った。
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「はぁー。疲れた!…ごめんね。隼人、土岐くん、都ちゃん。厄介な若手連れてきて!」
「いえ、先輩。」
私は、前方を歩くちょっとしょんぼりしている結花先輩にそう答えた。
「まぁ。終わったことだからもういいけど…結花にしては珍しくない?望月さん以外"ハズレ"だったんだけど…。」
「ごめん。そもそも都ちゃんは来るメンバーじゃなかったし…巴と橋本さんって子が来る予定だったんだけど、風邪で発熱してるらしくて。…で。花村と栗原には、橋本さんとの会話聞かれちゃってね。『連れてけー!』ってずっと引かなかったのよ。」
「なるほど、そういうことか。お前も大変だな、結花。……って、えぇっ!?望月さん、本当にピンチヒッターだったのか。じゃあ、土岐と望月さんの再会ってマジで偶然じゃん!いや、ほんと何があるか分かんないもんだな。」
「ほんとに…それよね。ビックリしちゃったわよ!でも、土岐くんだったら名乗らず慌てて帰ったのも納得だけど。上官からの呼び出しってところでしょ?」
志貴さんと結花先輩が首だけ振り返って、私と土岐さんに言う。
「さすが桧原さん、分かっていただけてますね。僕も驚きましたけど…今日、望月さんに会えてよかったです。名乗ってないし、挨拶もいい加減だったし…気になってました。」
「いい加減だなんて、とんでもない!土岐さんは誠実な対応をずっとして下さってましたよ。でも、お名前が聞けたのは…確かに収穫でしたね。…ところで、土岐さん。良いんですか?資格取得の勉強とかあるのに、私とは連絡先交換したじゃないですか。お邪魔になりません?」
「誠実…ですか。ありがとうございます、正直照れます。…嬉しいんですけど、言われ慣れてないので。……邪魔になんてなりません。望月さんは相手の都合も考えてくれるでしょう?それで十分ですし、資格の勉強するのは本当ですけど…あれはちょっと大袈裟に言いました。連絡先、あまり知られたくないので。全くの不通になることは普段は無いですよ。」