迷彩服の恋人 【完全版】
「望月さんは、ほんとに優しいね。……土岐、どうする?ちなみに俺だったら、今日は望月さんの意思尊重するけど。…今日で会うの2回目って考えるとさ。結花は時々遊びに行くって言ってるから、俺は〝結花の彼氏〟ってことで通せるけど。」
志貴さん……。
「そうですね。俺も、状況聞いてて…志貴先輩にお任せした方が良い気がしてきました。僕が言うのも変ですが…。望月さん、あなたこそお疲れでしょうから玄関先でお母様に捕まりたくはないでしょう。志貴先輩たちが気を引くか何かしてくれてる間に自室へ向かえるよう…健闘を祈ります。」
「土岐さん、ごめんなさい。ワガママを…。でも今日改めてお会いできて嬉しかったですし、ここまで送って下さったことも心強かったです。」
「いえ。この時間に女性だけで歩くのは危険を伴うこともありますし…当然のことをしたまでですよ。いえいえ、ワガママなんてそんなことは…。ただ僕からも1つお願いあるとしたら……。」
「えぇ。」
「自室に着き、落ち着かれたタイミングで…『着きました』とか『到着』とか一言メッセージ下さい。そしたら安心するので。……それから、僕もまたお会いできて嬉しかったですよ。最初は気乗りしてませんでしたが、望月さんとお話できて楽しい時間になりました。オススメの2作品も必ず見て感想伝えます。志貴先輩、あと頼みます。俺、来た道戻るのでここで失礼しますね。…おやすみなさい。」
「分かりました。部屋に着いたら必ず連絡します!『WIZARD』や『ミッドラ』の感想は、ほんといつでもいいので…あまりプレッシャーに感じずに見て下さいね。土岐さんもこの後…ホテルまでの道のりお気をつけて。…おやすみなさい。」
本当に最後まで心配してくれるんですね、土岐さん。
「おう、任せろ!お前も気をつけてな。」
「土岐くん、急だったのに今日はありがとね。」
志貴さんと結花先輩の言葉もしっかり聞いた後、土岐さんは競歩ぐらいのスピードで走り出す。
「行こうか、望月さん。」
「はい。」
こうして、私は残り数百メートルの自宅までの距離を結花先輩や志貴さんと歩く。
「ただいまー。」
「おかえり、都。…あら、結花ちゃん。もしかして、わざわざ都を送ってきてくれたのかしら?…あら、そちらの男性はどなた様?都?」
「えぇ。…あっ、彼は私の恋人です。朝子さん。」
「結花がお世話になっております、都さんのお母様。申し遅れました…志貴と申します。」
うわ、志貴さんのお辞儀も綺麗だな。
自衛隊入隊前は、家業をやってたか企業にお勤めだったかな?
それにしても。お母さん、いい加減2人を帰らせてあげてよ。
なんで志貴さんの苗字が珍しいなんて話を今しなきゃいけないの。
「朝子さん。今日は私や同期の都合で、都ちゃんを振り回してしまって申し訳ありませんでした。お夕飯、無駄になりませんでしたか?」
「あら、いいのよ。そんなこと。お茶飲んでく時間あるかしら?」
「お母さん!もう10時半回ってるんだよ。迷惑でしょ。結花先輩たちだって、早く帰って休みたいんだから引き止めないで。」
「朝子、何を考えてるんだ。都の言うどおりだよ。もう遅いんだから、また日を改めて来てもらいなさい。」
リビングにいたであろう父が、そこから出てきて母を宥る。
お父さん、ナイスタイミング!
「父さん、お客さんいるよね?…俺出ていい?」
あー。朝也、お風呂だったのね。
「朝也、結花さんが来てるぞー。……妻が引き止めてすまないね、結花さん。また後日、仕事終わりにでも夕食を食べに来てくれると都や妻が喜ぶよ。今からは家に帰って〝彼氏さん〟とゆっくりするといい。」
「お気遣いありがとうございます。」
志貴さん……。
「そうですね。俺も、状況聞いてて…志貴先輩にお任せした方が良い気がしてきました。僕が言うのも変ですが…。望月さん、あなたこそお疲れでしょうから玄関先でお母様に捕まりたくはないでしょう。志貴先輩たちが気を引くか何かしてくれてる間に自室へ向かえるよう…健闘を祈ります。」
「土岐さん、ごめんなさい。ワガママを…。でも今日改めてお会いできて嬉しかったですし、ここまで送って下さったことも心強かったです。」
「いえ。この時間に女性だけで歩くのは危険を伴うこともありますし…当然のことをしたまでですよ。いえいえ、ワガママなんてそんなことは…。ただ僕からも1つお願いあるとしたら……。」
「えぇ。」
「自室に着き、落ち着かれたタイミングで…『着きました』とか『到着』とか一言メッセージ下さい。そしたら安心するので。……それから、僕もまたお会いできて嬉しかったですよ。最初は気乗りしてませんでしたが、望月さんとお話できて楽しい時間になりました。オススメの2作品も必ず見て感想伝えます。志貴先輩、あと頼みます。俺、来た道戻るのでここで失礼しますね。…おやすみなさい。」
「分かりました。部屋に着いたら必ず連絡します!『WIZARD』や『ミッドラ』の感想は、ほんといつでもいいので…あまりプレッシャーに感じずに見て下さいね。土岐さんもこの後…ホテルまでの道のりお気をつけて。…おやすみなさい。」
本当に最後まで心配してくれるんですね、土岐さん。
「おう、任せろ!お前も気をつけてな。」
「土岐くん、急だったのに今日はありがとね。」
志貴さんと結花先輩の言葉もしっかり聞いた後、土岐さんは競歩ぐらいのスピードで走り出す。
「行こうか、望月さん。」
「はい。」
こうして、私は残り数百メートルの自宅までの距離を結花先輩や志貴さんと歩く。
「ただいまー。」
「おかえり、都。…あら、結花ちゃん。もしかして、わざわざ都を送ってきてくれたのかしら?…あら、そちらの男性はどなた様?都?」
「えぇ。…あっ、彼は私の恋人です。朝子さん。」
「結花がお世話になっております、都さんのお母様。申し遅れました…志貴と申します。」
うわ、志貴さんのお辞儀も綺麗だな。
自衛隊入隊前は、家業をやってたか企業にお勤めだったかな?
それにしても。お母さん、いい加減2人を帰らせてあげてよ。
なんで志貴さんの苗字が珍しいなんて話を今しなきゃいけないの。
「朝子さん。今日は私や同期の都合で、都ちゃんを振り回してしまって申し訳ありませんでした。お夕飯、無駄になりませんでしたか?」
「あら、いいのよ。そんなこと。お茶飲んでく時間あるかしら?」
「お母さん!もう10時半回ってるんだよ。迷惑でしょ。結花先輩たちだって、早く帰って休みたいんだから引き止めないで。」
「朝子、何を考えてるんだ。都の言うどおりだよ。もう遅いんだから、また日を改めて来てもらいなさい。」
リビングにいたであろう父が、そこから出てきて母を宥る。
お父さん、ナイスタイミング!
「父さん、お客さんいるよね?…俺出ていい?」
あー。朝也、お風呂だったのね。
「朝也、結花さんが来てるぞー。……妻が引き止めてすまないね、結花さん。また後日、仕事終わりにでも夕食を食べに来てくれると都や妻が喜ぶよ。今からは家に帰って〝彼氏さん〟とゆっくりするといい。」
「お気遣いありがとうございます。」