ツンデレラ
第一章　西瓜の馬車

四人家族①

僕は高校２年生の夏をむかえていた。

明日から夏休みということもあり、ほとんど生徒が夏休みの計画に盛り上がっていた。

キャンプに行く家族、国内旅行、海外旅行に行く家族もいた。

僕は仲のいい友人から祭りや海へと誘われた。


僕は四人家族の次男だ。

父は中国の貿易会社に勤めており、日本に帰ってくるのは三年に一度くらいだ。

昔から英語と中国語を話せ、結婚前から海外を飛び回っていた。

僕が産まれた時も中国で働いており、初めて会ったのは二歳の時だ。

ほとんど記憶にない。

母は美容室を経営している。

僕が中学生になる頃には簡単な料理の作り方を教えた。

いつかは自分で料理をしなければならないのだから早かれ遅かれ知っておいて損はないと。

十歳年上の兄は中学校を卒業すると家を出て行った。

彼は昔から音楽が好きで今はどこかでバンドをしながらアルバイトをしているそうだ。


先生の話が終わると生徒たちは先ほどの話の続きを始めた。

僕はバッグを持って帰ろうとすると、友人の圭太に寄りたいところがあるから、この後少しだけ付き合ってくれないかと言われた。

特に用事もなかったので付き合うことにした。

圭太と知り合ったのは一年生の時だ。

彼も僕も部活には入っていなかった。

放課後僕は近所のゲームセンターに行くと彼もそこにいた。

それから二人で遊ぶようになったのだ。

彼は僕よりも友人が多く、勉強も運動もできる。

いくつかの運動部に誘われたようだが時間に縛られるのが嫌いということで断ったそうだ。

僕らの共通点と言えばゲームと音楽くらいだろうか。

彼は隣町のゲームセンターに僕を連れて行った。

新しいゲーム機器があり普段僕が行くゲームセンターよりも種類は豊富だった。

僕は彼と数回ゲームで対戦した。

圧倒的に彼の方が強かった。

そんなことは前から知っていることで今さら悔しい思いなんてなかった。
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