インビジブル・ブルー
「抱けよ」

「抱けるかよ」

僕は天井に向かってため息をついた。ガクがソファに腰を下ろし、さも面白そうに眺めている。

まったくわけのわからない話だった。なぜこの女はそれほどまでに俺に抱かれようとするのか。

愛情?興味本位?冷やかし?

まさか。と首を振る。そんなことはあり得ない。そもそも僕は、この少女のことなど何も知らないのだ。

何より、レイが僕にむき出しにする感情、それは禍々しいまでの怒りと憎悪だ。にもかかわらず処女を犯せという。

なぜだ?

天井のクモの巣を見つめ、自問した。それでも混乱は拭えなかった。まるで意味が分からなかった。一つだけはっきりしていることは、僕にはこの少女を抱く気はないということ。ただそれだけだった。



「だいたいお前みたいな狂った女に勃ちゃしないん……」

目線を戻して、息を呑んだ。

少女が胸をはだけていた。

ブレザーとシャツの下には、成熟し始めた女の乳房が露わになっていた。

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