インビジブル・ブルー
「処女なんですって?」

そう言って顎を掴むガクの顔に、レイがツバを飛ばした。

ガクはそれを長い舌で舐め取り、くくと喉の奥を鳴らした。まるで獲物を狩る蛇のような目だった。

「いいわ。処女は奪わない。お前を処女のまま色漬けにしてあげる」

いいでしょ?

とガクは僕に言った。

「そうすれば、アンタだってこの小娘に勃起するようになるものね」

この男は知っているのだ。僕のいびつに歪んだ性癖を。

ガクと出会ったあの夜、執拗に犯され、何度も登り詰めていく見知らぬ女を凝視しながら、僕はペニスを激しく屹立させ、血走った目で筆を走らせた。それを見透かしたかのように、ガクはねっとりと腰を沈め、一晩中女の肌を味わい尽くした。


僕はもう一度、ランタンの灯りに妖しく浮かぶ少女の裸体を凝視した。しっとりと噴き出した汗が、絡みついた縄に滲んでいた。

ゴクリとツバを飲み込んだ。喉がカラカラに渇いていた。



「好きにすればいい」

そう答えた途端、脳髄の奥がじくりと疼いた。

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