インビジブル・ブルー
陽の光も届かない深い森から一転、突然視界が開けた。

小さな湖が、突き抜けるような青に染まっていた。

夢だろうか。

それとも本物だろうか。

ここに来るといつも、僕は生と死の境界が分からなくなる。

そこは、誰も知らない僕と彼女だけの秘密の場所だった。

どうしようもなく彼女に会いたくなったとき、僕はいつもここに来た。ここに来ればすべてを忘れ、彼女と二人きりになることができた。

十年、いやもっと昔。

僕たちは心に穴を開けたまま、まるでお互いの傷を舐め合うように手を繋ぎ、この場所にたどり着いた。

たった一枚のカンバスと、一組の絵の具だけを持って。

他には何もなかった。

僕たちには、それ以外失う物など何もなかった。

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