インビジブル・ブルー
僕はおもむろに立ち上がった。そのままレイの足首を掴むと、レイの体がビクリと跳ねた。

声すら出なかった。

まるで何時間も砂漠の中でもがき苦しんでいたかのように、僕の喉は赤黒く焼けただれていた。

水を、泉を求めて彷徨う、一匹の野獣にも似た心境だった。

「や……」

少女が短く呟いた。

払いのけようとする左手を掴み、力任せに仰向けに引きずり返した。

「いやッ」

震える唇にむしゃぶりつき、懸命に逃れようとする腰を押さえつける。

「嫌だ!ここじゃ……」

レイは激しく抵抗した。

僕はその頬に、娘かも知れない少女の柔らかい頬に平手打ちを叩きつけ、首筋に覆い被さった。

もはや僕の中には一滴の理性すらも残されていなかった。

「ママ……」

苦しげに首をねじり、僕の耳元でレイが呻いた。

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