インビジブル・ブルー


生々しい破瓜の感触と同時に、レイの呼吸が一瞬止まった。

味わうように引き抜くと、茎に処女の証が絡みついていた。

レイは悲鳴にも似た呻き声を漏らし、瞳を大きく見開いた。長い睫毛を振るわせ、薄暗いアトリエの天井に視線を泳がせている。

もう一度腰を沈めると、真っ赤な鮮血がこすれ合う肉の隙間から溢れ、レイの内股を伝い落ちた。

「ははは……」

僕は、笑っていた。

言い知れぬ征服感が、狂った僕の神経を極限まで高めていた。

この女は僕の物だ。ガクになどくれてやるものかと。

僕は、犯してしまった。

処女を。

自分の娘を。

人として決して踏み込んではいけない禁忌を、一度ならずも二度までも、僕は犯してしまった。

「は……はは……」

沸き上がる笑いを抑えられない。

何が可笑しいのか、何がそんなに僕を狂わせるのか。分からない。僕にはもう、何も分からなかった。

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