インビジブル・ブルー
「……やめろ」

僕は譫言のように呟いた。ペニスを抜き取ろうとした。このままでは、レイまでも堕ちてしまうと思った。

少女は僕と繋がったまま、僕の胸でくすくすと笑った。

「ずっと見てた」

「……え?」

「あなたのこと」

「僕を?」

「そうよ」

笑いながら、少女はゆるりと腰を前後に動かした。甘い電流にも似た快楽に、僕は堪らず上ずった声で喘いだ。

「ママね、ずっとあなたのことが好きだったの。一度抱かれたっきりのあなたのことが忘れられなかった」

「……な」

僕は少女の声を聞きながら、快楽と目眩に声を詰まらせた。

この少女は僕の娘だ。

僕と彼女との間に生まれた、血を分けた娘なのだ。

なのに僕の本能は、この目の前の少女をただ愛欲に飢えただけの女としか捉えてはくれないのだ。

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