インビジブル・ブルー
僕はレイを知らなかった。レイは僕を知っていた。僕はレイに女を感じ、レイを抱いたガクに嫉妬した。娘と知っていれば、こんなことにはならなかった。追い返すことだってできたハズだった。

ところがレイは違った。

実の父親と知りながら、処女を奪えと僕に迫った。

その胸の内に思いを巡らせたとき、たった十数年しか生きていない少女の深淵にある闇を覗き見た思いがした。

「やめ……ろ」

僕はなおも抵抗した。

快楽と、嫉妬と、憎悪と、憐憫。言い知れぬ征服欲。一人の女に対する愛情と、娘に抱く愛情――

様々な感情がないまぜになって、それらが次々と僕の思考に流れ込んでは消え、消えてはまた去来した。

「あぁ」

レイが腰をくねらせた。少女の体が、ほのかに快楽色に染まっていた。

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