インビジブル・ブルー
ドサリと足元で音がした。

少女が倒れていた。出血のせいで貧血を起こしたのだろう。なんとも面倒な話だった。

僕はやれやれと体を起こした。素早くレイの袖を引き裂き、肘の上を締め上げる。腕には無数の傷痕があった。リストカットの痕だとすぐに分かった。

僕はもう一度やれやれと呟いた。

レイを担いで起きあがる。思っていた以上に少女の体は軽く、しなやかだった。

「ガク、今日は早めに頼むぜ」

あのイカれた同居人の帰りを待ち焦がれたのは、あるいは今日が初めてかもしれないなと思った。



股間がやけに冷えた。

唾液で濡れたペニスには、少女の歯形がクッキリと残っていた。

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