国際弁護士はママとベビーに最愛を誓う~婚姻解消するはずが、旦那様の独占欲で囲われました~
一度部屋を出ていき、黒い部屋着に着替えて戻ってくる。
なにか言いたげで、私もそれはわかっていたが、なにも触れずに黙っていた。向こうも寝かしつけの邪魔をしないよう、音も立てず、話すこともしない。
しかし、私たちのいるベッドへ彼も入り、凌太を挟んで三人で川の字になった。てっきり凌太が完全に眠ってベビーベッドへ移動させるまでは書斎にでもいてくれるかと思ったのだが。
「パ、あ」
「寝るぞ、凌太」
「今寝るとこだったのに。これじゃ寝ないわよ」
仕事から帰ってきた夫に向かって、またひどいことを言ってしまった。本心だが疎ましくなど思っていないのに。
彼がこの子を奪う気なんじゃないかと思うと不安になり、母親としての敵意がふつふつと湧いてくる。
久嗣は不機嫌な私に謝るわけでも文句を言うわけでもなく、「……うん」とつぶやいてから、かけ布団を三人にかかるように直した。
やがて凌太の寝息が聞こえてくる。
「久嗣、ご飯は?」
「出先で食べてきた。連絡入れたけど」
「あっそう、見てなかった」
なにか言いたげで、私もそれはわかっていたが、なにも触れずに黙っていた。向こうも寝かしつけの邪魔をしないよう、音も立てず、話すこともしない。
しかし、私たちのいるベッドへ彼も入り、凌太を挟んで三人で川の字になった。てっきり凌太が完全に眠ってベビーベッドへ移動させるまでは書斎にでもいてくれるかと思ったのだが。
「パ、あ」
「寝るぞ、凌太」
「今寝るとこだったのに。これじゃ寝ないわよ」
仕事から帰ってきた夫に向かって、またひどいことを言ってしまった。本心だが疎ましくなど思っていないのに。
彼がこの子を奪う気なんじゃないかと思うと不安になり、母親としての敵意がふつふつと湧いてくる。
久嗣は不機嫌な私に謝るわけでも文句を言うわけでもなく、「……うん」とつぶやいてから、かけ布団を三人にかかるように直した。
やがて凌太の寝息が聞こえてくる。
「久嗣、ご飯は?」
「出先で食べてきた。連絡入れたけど」
「あっそう、見てなかった」