国際弁護士はママとベビーに最愛を誓う~婚姻解消するはずが、旦那様の独占欲で囲われました~

家の中を見渡してみる。静かな玄関に廊下、奥にリビング。凌太のおもちゃを置いているせいでシックな部屋が賑やかに色づいている。余っている部屋はのちに子ども部屋にして、ジャングルジムなんかを置けるだろう。
久嗣と、凌太と、三人で楽しく暮らしている想像が、この部屋を駆け巡っていく。
それが叶うなら本当はなんだってしたい。別れたくない。久嗣が愛してくれるなら、今からだってやり直したい。

「……凌太」

眠りの深い凌太の体を持ち上げ、抱きしめた。大きな目を閉じて、小さな口をとんがらせて眠っている。
凌太からパパを奪いたくない。三人でずっと一緒に、幸せな家族になりたい。

「凌太、凌太」

自分の気持ちに嘘をついていたのは私だったんだとわかると、涙があふれていた。
どうしてずっと強がっていられたんだろう。久嗣の言葉を信じて、もう一度がんばりたい。今度はちゃんと愛し合いたい。

離婚なんてできない。
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