国際弁護士はママとベビーに最愛を誓う~婚姻解消するはずが、旦那様の独占欲で囲われました~
「相変わらず謎だよね。めちゃくちゃイケメンだけどなに考えてるのか本当にわからない。すごく早く結婚したし」
「秘書の子たちみんな狙ってたのにね。あのときは私もショックだったなー」
仕事中の久嗣の様子を盗み聞きするのはいけないことをしている気持ちになったが、こんなに気になる話題を繰り広げられては席を移動するなど無理だった。
やはり事務所の女性人気は高いらしい。予想通りではあるけど。
「でもさ、先生って絶対奥さんのこと好きじゃないよね」
「うんうん。見てればわかる」
……え?
「結婚したとたん、行かなくていい出張わざわざ入れてるもんね。普通はもっとペース遅いのに、週単位で入れてる」
「そうそう。たしか、ひと月丸ごとニューヨーク行ったときあったじゃない? それだって新婚だから別の人が行こうかってチームが気を遣ったのに、行くって聞かなかったって」
「絶対、奥さんがいる家に帰りたくないんだよね。たしかさ、デキ婚だったんだっけ?」
「好きじゃないのに子どもができたから結婚したんだろうなぁ。さすがに奥さんに怒られて、今回出張やめたとか?」