国際弁護士はママとベビーに最愛を誓う~婚姻解消するはずが、旦那様の独占欲で囲われました~
「友達だってば! 偶然会って、久嗣を待ってる間に凌太と遊んでもらってただけだよ」
なんとかそれらしい説明を続けるが久嗣は鋭い表情を崩してくれず、問い詰められるのが苦しくなり声がうわずる。
久嗣は恐ろしい顔のまま開いた膝に腕を置いて低い姿勢になり、私と視線を合わせると、
「ほかの男に触らせるな」
と聞いたことのない低い声を出した。
言い訳を並べる私を頭から押し潰してくるようで、ドクンと心臓が跳ねた。
凌太を誰かに触らせたことをすごく怒っている。こんなに怒るとは思っていなかった。
焦る気持ちが大きくなり「ごめんなさい」と謝ってしまいそうになるが、そんなに悪いことだったのか自分で納得がいかない。
「べ、べつにそんな……」
さらなる言い訳を並べようと食ってかかると、突然、テーブルの上のスマホが振動しながらピンクに光った。
静かな中にヴヴッという音が響き、私と久嗣は無意識に視線がそちらへ向く。
画面にはすでに自動でメッセージが表示されていた。
【今日は会えてよかったよ。あ、ちなみに離婚するときは俺に連絡ちょーだいね(笑)】
しまった。健司くんからだ。