国際弁護士はママとベビーに最愛を誓う~婚姻解消するはずが、旦那様の独占欲で囲われました~
「わぁ!」
思わず大きな声を出し、スマホをテーブルから取り上げて隠すそうに抱きしめる。
どうしよう。バレた……? 友達と言い訳できる内容ではなかった。離婚するなら連絡しろだなんて、久嗣は相手が弁護士だと勘づいてしまうだろう。
不穏なドキドキは胸が痛くなるほど大きくなっていく。画面を見た瞬間、久嗣が雷が落ちたかのように目を見開いたのが見えた。怖くて私は彼の目を合わせられず、スマホを抱えたまま顔を逸らす。
「今のは、違うの、その……」
離婚の話はまだ進めていない。もう久嗣と争うつもりはないのに。いろいろ聞いて混乱してしまったけど、まだ私は動き出していないのに。隠れて弁護士に離婚相談をしていたと思われたら、久嗣に宣戦布告したも同然になってしまう。
すると、久嗣は急に立った。どこかへ行くのかとビクビクしていると、
「えっ」
彼はこちらへ手を伸ばしてきて、私の体をソファへと押し倒した。