国際弁護士はママとベビーに最愛を誓う~婚姻解消するはずが、旦那様の独占欲で囲われました~

「久嗣?」
「どこの誰だ」

顎を掴まれて目を合わされ、無理やり至近距離まで迫ってくる。

「あの、それは……」
「今すぐそれを寄越せ。ソイツに連絡する」
「え!?」
「俺の妻に手を出すやつには容赦しない。すべて失って二度と再起できないよう追い詰めてやる」

久嗣はスマホごと私の両手首を強い力で捕え、無理やり開かせて睨みつける。
とても敵わずに抵抗をやめると、ソファに押し付けられながら両手を頭の上で拘束された。

「久……んっ」

もしかして叩かれるのかと体が強張ったが、そんなことはされなかった。予想外にも唇を押しあてられ、息ができないくらいに激しいキスをされる。

「ん、んっ、んん……」

こんな強引なキスをされたのは初めてだ。手首に痛みが走り、噛みつくような唇からは怒りが伝わってくるが、拒否できない。久嗣とキスがしたかった。彼に求められるとどんな状況でも体から力が抜けてしまう。
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