国際弁護士はママとベビーに最愛を誓う~婚姻解消するはずが、旦那様の独占欲で囲われました~

「お前のことがわからない。離婚したいって顔なんてひとつもしてないじゃないか。こんなに濡らして受け入れるくせに。俺のこと弄んで楽しいかよ」

ソファが柔らかいせいで安定せず、私たちは体をぶつけ合うたびに大きく揺れた。体勢を変えて背後から攻めてくる久嗣は、顔が見えず、でも声は怒りに震えているとわかる。
身に覚えのない罵倒に言い返したい気持ちでいっぱいなのに、体は彼に従順なまま言うことを聞かない。

「お前はまだ俺の妻なんだ。不貞行為なんてしてみろ、なにもかも俺が奪ってひどい目に遇わせてやる」
「あっ、やっ、してない、そんなことっ……」
「俺と円満に離婚できると思うな。争うならとことんやってやるよ」

敵意に溢れた声が怖くてたまらないのに、なぜだかゾクゾクと甘い痺れが走る。ここまで久嗣が感情的になったところを見たことがなかった。 私と離婚したくないと憤慨され、今さら、もっと彼の本心はいったいなんだろうと知りたくなった。
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