暗い暗い海の底
――彼に見つかりませんように。彼に見つけてもらいますように。
夫に見つかるのだけが恐怖だった。早く彼に見つけてもらいたいと思った。
名前を呼ばれて顔をあげたとき、そこにいたのは優しい笑みを浮かべるキラキラ男だった。私は思わず抱きついた。
「これ、立派なDVだろ? なんで、相談しないんだよ」
「言えません……」
「それは、オレのせいか? オレと浮気したから」
婚姻関係のある男性がいる以上、浮気ではなく不倫という不貞行為になる。だが、それは夫も同じ。お互いに伴侶以外の相手と身体を繋げているのだから。
「なあ。別れちまえよ。あんな男と」
「できません」
「どうして?」
夫に見つかるのだけが恐怖だった。早く彼に見つけてもらいたいと思った。
名前を呼ばれて顔をあげたとき、そこにいたのは優しい笑みを浮かべるキラキラ男だった。私は思わず抱きついた。
「これ、立派なDVだろ? なんで、相談しないんだよ」
「言えません……」
「それは、オレのせいか? オレと浮気したから」
婚姻関係のある男性がいる以上、浮気ではなく不倫という不貞行為になる。だが、それは夫も同じ。お互いに伴侶以外の相手と身体を繋げているのだから。
「なあ。別れちまえよ。あんな男と」
「できません」
「どうして?」