クールなあおくんに近づきたい!〜あと10センチ、きみに届け〜
***





「……あった」





洋書コーナーで、山積みになった本たちに埋もれるカベ君が呟いた。

私、花乃ちゃん、姫ちゃんからの視線を集めたカベ君は、中指でメガネを直す。


「…イギリスの古くからある昔話みたいだ。Huey(ヒューイ)って王子と、Sarah(サラ)って王女が出てくる。」

カベ君がペラペラとめくる本の表紙側を花乃ちゃんがのぞいて、タイトルを読む。

「God's mischief……神の、いたずら…?」

「…うん、見た目の特徴もチカの夢の話の通りだ。」

「すご…日本語訳出てんのかな?」

「探してみよう」



そこでカベ君のスマホが振動した。

「…ちょうどチカ達こっち着いたって。行こう。」


皆で階段を下りると、逢和君とキヤ君が入り口のところで談笑している。

気付いたキヤ君がこちらに駆け寄ってくる。
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