クールなあおくんに近づきたい!〜あと10センチ、きみに届け〜
示し合わせたように、逢和君と目があった。


逢和君のアレルギーについて、あの本の中になにかヒントがあるかもしれない。

アレルギー克服に一歩近づけるかもしれない。


逢和君は珍しく緊張の色を見せる。


「…」


私は咄嗟に視線をそらした。


…逢和君は、夢の中のサラに恋をしてる。

私じゃない。

だって私は、サラもヒューイも、知らない。



ここにきて、私は怖くなった。

知らないことを知るのが、怖くなった。


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