クールなあおくんに近づきたい!〜あと10センチ、きみに届け〜
「……永遠に触れられない、呪い……。」
俺は肘をつきながら覆った手の中で、小さく呟いた。
もう一度寧々に目を向ける。
茶色がかった猫っ毛、華奢な体、ふにゃふにゃした空気。
サラとは違う。
…寧々、こないだ困惑してたな。
夢の話、全く身に覚えがなさそうだった。
あれ以来寧々は、ちょっとよそよそしい。
まぁ、そうなるよな。
…でも、寧々。
サラなんだよ。
寧々は、サラ。
その証拠に俺の中のヒューイが必死に訴えてくる。
『会いたかった』って。
対角にある窓際の角では、多分キヤがバカなこと言ったのに対してみんなで笑って、寧々も楽しそうにしてる。
…夢の中のサラはいつも泣いてる。
俺が…ヒューイが近づこうとすると必死に逃げて
最後はごめんね、ごめんねってたくさん泣いて
そんなサラを愛おしく想って触ろうとするところで暗転する。