クールなあおくんに近づきたい!〜あと10センチ、きみに届け〜
「…いいよ。」
…
いいよ?
苗村さんが「ほんと…!?ッ、嬉しい!」と喜ぶ声が聞こえる。
隣のカベ君から小さく「は…?」と言う声が漏れた。
私は頭の中で、
数時間前に聞いたはずの逢和君の『好きだよ』が突然現実味を失って、
混乱していく。
逢和君と苗村さんが、
付き合う…?
ポロ、と
私の右目から不意打ちの涙が落ちた。
「…っざっけんな…!」
「!」
耐えかねたようにカベ君が立ち上がって、
勢いよく飛び出していった。