クールなあおくんに近づきたい!〜あと10センチ、きみに届け〜
そしてあっという間に逢和君の元へ行ったかと思うと、




「何考えてんだよ、チカ!!」


激しい打撃音が、図書室に鳴り響いた。


「キャアッ!?」


勢いよくカベ君に顔面を殴られた逢和君が、本棚に激突して本がバサバサと落ちる。


その衝撃に、遠巻きに見る私も思わず口元に手をやる。


「曽我部君…?え、なに…?」

「あんたは黙ってて」

カベ君が苗村さんを睨みつけて、逢和君に視線を移す。

「チカ…冗談だよな…?冗談って言えよ。」


怒りに声を震わせるカベ君が、逢和君の胸ぐらを掴んで問いただす。


「じゃないと俺たち…、何のために今日までやってきたんだよ…!寧々ちゃんはどうなるんだよ!!」


カベ君の悲痛な叫び。


逢和君はそんなカベ君に掴まれるままにしながら、まっすぐな目を向けて口を開いた。




「冗談じゃない。」


「…!」




逢和君の迷いのない目に、カベ君が言葉に詰まる。




「俺は、苗村さんと付き合う。」




逢和君があまりにも淡々と言うので

今までのことが夢だったのかもとさえ思えてくる




「本気かよ…チカ」

「本気だよ」

「ッ…、」
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