クールなあおくんに近づきたい!〜あと10センチ、きみに届け〜
9月度議事録
◇God's mischief 2
「…あ。近海と苗村。」
夏休み明け、午前授業のみの放課後。
図書室前の階段で、前を行く男の子二人組が前方を見てそう言って
私は足を止めた。
「あいつらどこいくんだろ?」
「あれだろ、資料室とか理科室の方。あっち人がいないから。」
「うわ、生々しい現場見ちゃったわ…苗村さんとイチャイチャできるなんて羨ましー!」
「あの二人、夏休み直前に付き合い始めたんだっけ?」
「そうそう。近海ファンの女子たちが嘆いてた。」
「苗村ロスの男も結構いたよな。まぁ美男美女でお似合いなんじゃねーの」
「だな。つか近海ってキャラ変した?あんなクールなやつだったっけ?なんか痩せたし。」
「あれだろ。好きな女の前でかっこつけたいやつ。」
「あー、はは。なるほどねー」
男の子たちが角を曲がって、楽しそうな声が遠くなっていく。
階段を、そっと降りる。
廊下の遠く遠く、遠くの方で
腕を組む逢和君と苗村さんが角を曲がるのが見えた。
「…」
逢和君、私に対してはいつも笑ってたなぁ。
夏休み明け、午前授業のみの放課後。
図書室前の階段で、前を行く男の子二人組が前方を見てそう言って
私は足を止めた。
「あいつらどこいくんだろ?」
「あれだろ、資料室とか理科室の方。あっち人がいないから。」
「うわ、生々しい現場見ちゃったわ…苗村さんとイチャイチャできるなんて羨ましー!」
「あの二人、夏休み直前に付き合い始めたんだっけ?」
「そうそう。近海ファンの女子たちが嘆いてた。」
「苗村ロスの男も結構いたよな。まぁ美男美女でお似合いなんじゃねーの」
「だな。つか近海ってキャラ変した?あんなクールなやつだったっけ?なんか痩せたし。」
「あれだろ。好きな女の前でかっこつけたいやつ。」
「あー、はは。なるほどねー」
男の子たちが角を曲がって、楽しそうな声が遠くなっていく。
階段を、そっと降りる。
廊下の遠く遠く、遠くの方で
腕を組む逢和君と苗村さんが角を曲がるのが見えた。
「…」
逢和君、私に対してはいつも笑ってたなぁ。