クールなあおくんに近づきたい!〜あと10センチ、きみに届け〜
「え…?」


「サラじゃなくて、ちゃんと寧々ちゃんを見てたと思う。」


「…!」


「なんでこんなことになってんのかわかんないけど…チカは、そんな簡単に諦めるような男じゃない。」



カベ君の言葉が

なんとかギリギリ保っていた私の心に触れて

沁みていく。


もう諦めた方が簡単だけど

忘れた方が楽だけど



「信じてみたい。チカのこと。寧々ちゃんもまだ信じてるんでしょ。」

「ッ…、」



1人で戦ってるような気になってた私に

同じように『信じたい』と言ってくれる存在に、こんなに救われるなんて。



「…探そう。俺たちにできること。」






『だから探そう。アレルギーをなくす方法。一緒に。』








カベ君の言葉が、

あの日、逢和君が無敵な笑顔と共にくれた言葉と重なった。







「…うん…っ!」



私は涙をこらえて、ブレザーのポケットにいた逢和君のシャーペンをぎゅっと握った。







…その時だった。







隣の本棚からバサッと本が落ちた。
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