クールなあおくんに近づきたい!〜あと10センチ、きみに届け〜

「あー!いったいなぁ!!」

木村君が頭を押さえて立ち上がって、苦しそうにする逢和君を見下ろした。


「…え?なにこの人、また蕁麻疹出てるじゃん。気持ち悪…」

「ゼェ、ゼェ、う、るせぇ、…ックシュン!」


逢和君は息も絶え絶えに、木村君を睨みつけながら必死に立ち上がろうとする。


「フフ……、あっはは!!なにお前!?僕何もしてないのに瀕死じゃん!だっさ!」


木村君が腰を折って盛大に笑う。


「なになに?なんで?前もそうだったよね?面白過ぎんだけどぉ!」


耳をつんざく木村君の笑い声に、人生でも感じたことないぐらいの怒りがこみ上げて、力が入らないことが余計にもどかしくなる。



「…あれ?」



そこでふと、木村君の表情が変わった。



「あれあれあれ…なんか僕、わかっちゃったかも。」



それまでお腹を抱えて笑っていた木村君が、何かに気付いたように私を見る。
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