クールなあおくんに近づきたい!〜あと10センチ、きみに届け〜

「ふっざけん、な…!」



逢和君がガタガタ震えながら木村君を睨みつける。



「寧々を、離せよ…!!」


「やーだよー♪嫌なら奪いに来なよ!あっはは」


「…っ、」



逢和君はもどかしそうに歯を食いしばった。





…なんで逢和君がこんな目に…?


私のせいでこんなことに巻き込まれて、こんな苦しそうにしてる


私のために必死に抗おうとしてる





「っ…、」





いま逢和君を守れるのは

私しか、いない











私は逢和君に向かって首を小さく横に振って、口パクした。







だい じょう ぶ



いっ て







「…!」





伝わったらしく、逢和君の瞳が揺らいだ。


私は目を細めて口角をあげた。








好き


逢和君が、好き


そこにいてくれるだけで、こんなに幸せな気持ちになれるなんて


こんな感情知らなかったんだよ、逢和君









だからもういいよ、逢和君


はやく行って


















「……いら、ない」
< 179 / 204 >

この作品をシェア

pagetop