クールなあおくんに近づきたい!〜あと10センチ、きみに届け〜
「ふっざけん、な…!」
逢和君がガタガタ震えながら木村君を睨みつける。
「寧々を、離せよ…!!」
「やーだよー♪嫌なら奪いに来なよ!あっはは」
「…っ、」
逢和君はもどかしそうに歯を食いしばった。
…なんで逢和君がこんな目に…?
私のせいでこんなことに巻き込まれて、こんな苦しそうにしてる
私のために必死に抗おうとしてる
「っ…、」
いま逢和君を守れるのは
私しか、いない
私は逢和君に向かって首を小さく横に振って、口パクした。
だい じょう ぶ
いっ て
「…!」
伝わったらしく、逢和君の瞳が揺らいだ。
私は目を細めて口角をあげた。
好き
逢和君が、好き
そこにいてくれるだけで、こんなに幸せな気持ちになれるなんて
こんな感情知らなかったんだよ、逢和君
だからもういいよ、逢和君
はやく行って
「……いら、ない」