クールなあおくんに近づきたい!〜あと10センチ、きみに届け〜
◇オレンジの中
…
…
ーーサラ
…?
ーーサラ
…その声は…
ーーサラ…やっと会えた
……あぁ、なんてこと…
ーーサラ。やっと気付いてくれたんだね。
どうして私…あなたを忘れていたなんて…
ーーもういいんだそんなこと。おいで。一緒に行こう。
…ヒューイ。やっと一緒にいられるのね。
ーーそうだよ、サラ。長かったね。
本当に、本当に長かった。
ーー愛してるよ、サラ。
私もよ、ヒューイ。
これからも
何があっても、愛してる。
私の中から、
サラが離れていく。
…そっか。
私
本当にサラだったんだ。
ずっと当たり前のように自分の中にいたサラが
ヒューイと共に遠く小さくなっていく。
言い知れない虚無感に
涙が目尻側から伝って、耳に入る感覚がした。
そして私は、ゆっくりと目を開ける。