クールなあおくんに近づきたい!〜あと10センチ、きみに届け〜
「……オレンジ……」
いつかの放課後と同じ、綺麗なオレンジが
真っ白な天井を優しく染めていた。
私はぼんやりと周りを見渡す。
…ここは……保健室…?
涙を拭いて、ベッドから体を起こした。
「…!?」
すぐ隣で、
ベッドにもたれて眠る、
逢和君。
私は咄嗟に後ずさってベッドから転がり落ちた。
え?
な?
あれ?
こんな近くで眠る逢和君を初めて見て、頭が混乱する。
えっと……私、木村君に襲われて
逢和君が助けに来てくれて
逢和君に抱きしめられ…て……
私はハッとベッドの下から頭だけ出して、逢和君を覗き見る。