クールなあおくんに近づきたい!〜あと10センチ、きみに届け〜
「……ほんと、ポンコツ」
私に覆い被さる逢和君が言った。
「へ…」
私の顔の横に、逢和君の左肘がつかれていて、
その先の腕は私の頭を守るように首の下に置かれてる。
骨張った逢和君の男らしい右手は、
しっかりと私の左手を握ってる。
「………寧々」
10cm先から私を見下ろす逢和君が
私の名前を呼んだ。
湿疹が、ない。
くしゃみもしてないし、
苦しむ様子もない。
…むしろ、
「寧々」
逢和君は嬉しそうに、
でも泣きそうに、
「俺の名前、呼んで…?」
ちょっと上擦り掠れた、逢和君の声が落ちてくる。