クールなあおくんに近づきたい!〜あと10センチ、きみに届け〜
◇気まぐれな神様
「…と、いうわけで。」
快晴の青空のもと、逢和君が満面の笑みで明るい声を放った。
「おかげさまで、アレルギー治りました!いぇー!」
…アレルギー克服から一夜明けた、今日。
「「「「…」」」」
いつもの体育館裏にて、まぶしい朝日と、委員会メンバーの視線が痛い。
「あ……あの、逢和君…」
私はおずおずと委員長に進言する。
「ん?」
「えっと…、その、一旦降りてもいい…かな…?」
私が今いるのは、石の上に座る逢和君の膝の上。
後ろからガッチリその腕の中にホールドされてしまって動けないでいる。
その姿はまるで王様が溺愛するお姫様を家臣たちにお披露目するときみたいだ。
「なんで?…嫌?」
ちょっと悲しい顔をする王様が後ろから私の顔を覗き込んで、その顔の近さにドキッとする。