クールなあおくんに近づきたい!〜あと10センチ、きみに届け〜
うぅ…緊張するなぁ。

隣、どんな人かなぁ。

怖くない人だといいなぁ。


私は窓際に荷物を移動し終えて、ソワソワしながら椅子に座る。


「チカー!お前何番ー?」

木屋谷君の声に私はハッと顔を上げた。


「15ー!」


対角にいる近海君が叫んで、反射的に黒板の中から15を探してしまう。


15…15…

…んん?


「あ。ちか、細流さんの隣じゃん。」

木屋谷君が言った。



「え」



いつの間にか三歩先くらいまで来ていた近海くんと目があった。



ッえーーーーーー!!!!



目を丸くする近海君の表情からは、感情が読めない。



「…っ」



大変だ!大変だ!

近海君が隣!?

大変だ!!

嬉しい、嬉しいけど、恥ずかしい!

どうしようどうしよう、

あっ、挨拶しなくちゃ!ご挨拶!えっと、




「ち、近海君、よろ…

「クシュン!」




近海君が、くしゃみした。



…気を取り直して、



「…あ…えっと、よろし…

「クシュン!クシュン!」



…近海君、鼻炎持ちなのかな…?
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