クールなあおくんに近づきたい!〜あと10センチ、きみに届け〜
「ッ…、えっと、嫌ではないんだけど…ちょっと、そのー…はっ、恥ずかしい、かも…?」
…嘘です。
ちょっとじゃないです。
すっごく恥ずかしいです。
ハグしてくれるのはとっても嬉しいんだけど、これまで遠くて当たり前だった逢和君にゼロ距離で後ろからハグされて、
かっこいいお顔が、それはもう触れるくらい近いし、
男らしい逢和君の腕も手も胸も、意識しちゃって、ドキドキしちゃって、
もう、もう、やばすぎるので…!!
しかもそれをこんな堂々とみんなに見られるなんて!!
とてもじゃないけど冷静じゃいられない…!
息の仕方を忘れてしまったし、顔の熱がずっと上がりっぱなしで、そろそろのぼせそうです!!
「…寧々。」
大騒ぎの私の心を知ってか知らずか、
逢和君が真剣な声で私を諭す。
「こういうのは慣れだよ、慣れ。他人はね、案外自分のことで精一杯で俺たちのことなんて見てないの。だから気にしなくていいよ。ね。」
…んーん、見てるよ逢和君。
みんながこれでもかってぐらい白い目で、まっすぐ私たちを見てるよ。
まるで気にならないらしい逢和君は「んー、かわいいねぇ、よしよし」と頬擦りしながら私の頭をなでりなでりしてる。