クールなあおくんに近づきたい!〜あと10センチ、きみに届け〜
「そういえば寧々。近海からちゃんと元カノのこと聞いた?」


逢和君がピクッと反応する。


「別れたって言うのは聞いたけど…」


昨日は『細かい話は後で』『今は寧々を愛でたい』って濁されちゃったんだよね。


「まさかこのまま流そうとか思ってないでしょうね、近海?」

花乃ちゃんが凄んで、逢和君が「んー?」とよそよそしい態度をとる。


「寧々だってどうして近海が苗村と付き合ったのかとか気になるでしょ」


…それは…聞きたいような、聞きたくないような。

…でも


「…うん。何か理由があるなら教えてほしい。」


どうして『好きだよ』って言ってくれたあとに苗村さんと付き合おうと思ったのか。

特別な理由があるんじゃないかとは思ってた。


逢和君は私の視線にバツが悪そうにする。

「……怒らない?」

「えっ?怒るような理由ってこと…?」

「んー、あはは」

「逢和君。もう濁さないで。」

私がピシャッと言うと逢和君が「はい。」と背筋を伸ばした。






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