クールなあおくんに近づきたい!〜あと10センチ、きみに届け〜
***








「ッ…、逢和君の、バカ!!」



2人だけになった体育館裏で、私の大声がこだました。



「…ごめんね?」



…くっ。

小首をかしげる逢和君もかっこいいかわいい…

じゃ、なくて。



「どうしてそんな危ないことしようとしたの!?ヒューイが死んじゃったら、逢和君も死んじゃうかもって考えなかったの!?」

「死なないよ」

「それは結果論で…!それに、」

と、そこで違和感を覚える。

「……な、んで笑ってるの…?」

「あはは」

「あはは、じゃないよっ!」

「ごめんなさい」

言いながら逢和君は笑ってる。

むぅ、とする私の頬を逢和君が両手で優しく包んだ。


「フハッ。ごめん。俺の為に怒ってる寧々、かわいすぎて笑っちゃう。」

「…」


そんなかわいく笑われたら、もう怒る気なんて失せちゃうよ…。


「ごめん。反省してる。これからはもう無茶する必要なくなるしさ。許して?」

「…」

その小首を傾げてタレ目をさらに下げるの、ときめいちゃうからやめて欲しい。


私はため息をついて頷くと、気を取り直して逢和君の目を見た。

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